国際派女優となった島田陽子さんを“潰した”のは誰だったのか?
案の定、部屋に入った島田さんはニコニコ顔になり、バルコニー側から外を眺めながら「風景がきれいだわねぇ」と満足げだった。何を言っていいのか分からなかった僕は、つい「景色より、島田さんのほうがきれいで目が離せませんよ」と歯の浮くような言葉をはいた。島田さんは「何言ってんだか」と言いながら、さらに上機嫌になっていった。「何を聞いてもいいわよ」と相成ったことを覚えている。
ただ、この取材も含め、周囲の下にも置かない扱い方により、島田さんは大物女優の意識が強くなり過ぎたのかもしれない。例えば、知り合った会社社長から100万円単位のお金を用立ててもらっても、その会社のパーティーに顔を出して挨拶のひとつでもすれば、「それでチャラ」という感覚でいただろう。まあ、営業ギャラの前払いのつもりだったろうか。
あれから20年以上、島田さんの活躍を聞かなくなっていた。彼女にやり手の優秀なマネジャーが当時ついていれば、状況は変わっていたかもしれない。