吉田茂元首相の国葬を当時の「週刊読売」は厳しく批判! 今のマスコミに読ませたい
唯一のレガシーは「アベノマスク」
だが、忘れてはいけない! 唯一のレガシーがある。税金を大量に浪費して作った“無駄の象徴”「アベノマスク」である。国民は何十年後まで語り継いでいくことだろう。
では、1967年10月31日に行われた吉田茂の国葬はどのようだったのか。完全無宗教。競馬も競輪もテレビの娯楽番組も中止。全国でサイレンが鳴り響き、それに合わせて「黙祷」するよう強制された。東大には「するな黙祷、許すな国葬」の立て看。
週刊読売(1967年11月15日・臨時増刊号)はその模様を、「この日の吉田氏の国葬には『悲しみ』や『一億鉄火となって』という言葉のないかわりに、一億国民の総意というものが感じとれなかった」と報じている。
同誌の中で風刺漫画家の近藤日出造は、「吉田政治は、繁栄の土台とともに、明らかに腐敗の土台も築いた。(中略)吉田さんは、白足袋を灰色によごして、のたれ死にしたのである」と厳しく批判している。安倍元首相に飼いならされてしまった今の大マスコミには、絶対言えないセリフである。
先日の朝日川柳に載ったこの句が秀逸である。
「死してなお税金使う野辺送り」 (文中敬称略)
(元木昌彦/「週刊現代」「週刊フライデー」元編集長)