池脇千鶴に「私のことは“ちいちゃん”と呼んでください」と言われ…
移動や撮影の合間には宿題やテスト勉強をする普通の高校生が、カメラが回ると“女優”に変身する姿を間近で見ながら“凄い女優さんになるな”と感じました。
撮影が終わって10年後、麒麟の田村君の書いたベストセラー「ホームレス中学生」の映画化でお姉さん役をやっていたちいちゃんに控室として使われていた若手の劇場の楽屋で偶然出会った時には、ちいちゃんの方から「本多先生~!」と抱きついてきてくれて「大阪物語ではお世話になりました。市川監督が亡くなられたんです」と自分を見いだしてくれた恩人の訃報に目を潤ませ「残念やな」「早すぎます。本多先生も気をつけて下さいね」と10年も会っていないとは思えない優しい言葉をかけてくれたのを今でもはっきり覚えています。
演技力が高く評価されているちいちゃん。ますますステキな女優さんになっていってくれることでしょう。