池脇千鶴に「私のことは“ちいちゃん”と呼んでください」と言われ…
前回、沢田研二さんと田中裕子さんという本当のご夫婦が“夫婦漫才師”役を演じられた映画「大阪物語」(1999年)で漫才台本を書かせていただいたことを書きましたが、2人の娘役で主人公を演じたのが当時17歳の高校生だった女優の池脇千鶴さんでした。
この作品が彼女の映画デビュー作。私は漫才担当で本編には直接かかわりはなかったのですが、池脇さんと弟役の2人が両親の漫才をそのままコピーして演じるシーンがあり、“姉弟”にも漫才を教えることになり、NGK(なんばグランド花月)で池脇さんと打ち合わせをすることに。
会議室での初対面はセーラー服姿で「霜月若菜役をやらせていただく池脇千鶴です。よろしくお願いします」と深々と頭を下げた笑顔が素朴でとても印象的でした。
打ち合わせを済ませて、市川準監督とプロデューサーとともに近くの中華屋さんへ食事に。ここで「私のことは“ちいちゃん”と呼んでください」と言われ、以降どこで会っても“ちいちゃん”と呼ばせてもらっていました。