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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

玉川徹氏の騒動に思う ワイドショー司会者とコメンテーターの関係はドラマの主役と脇役に似ている

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概念を変えた香川照之

 この概念を変えたのが香川照之だった。TBS系の日曜ドラマ「半沢直樹」で堺雅人の敵役で出演した香川。アップで見せる顔芸に「凄い迫力」と視聴者はクギ付けになりドラマは高視聴率を上げた。主役は脇役で生きることを改めて証明。香川は「名敵役」の第一人者となり、「敵役が香川なら見たい」と思わせるまでになった。「玉川が出るなら見たい」と思う視聴者心理と同じだ。

 現在、セクハラ騒動で自粛中の香川。ドラマ界は早期復帰を願うばかりだろうが、ポスト敵役を探すのも急務。探すというより、「香川のように、この人に敵役をやらせたら面白い」と思わせる既成の俳優だ。

 すでに新たな敵役適任者が出てきている。夏ドラマでは「競争の番人」(フジテレビ系)でベテラン俳優らしい悪役の顔を見せた小日向文世。どんな役をやらせてもうまい俳優だ。さほどの意外性はなかったが、10月期のドラマでは「ポスト香川」を思わせる3人が出演している。

 日本テレビ系「ファーストペンギン!」では梅沢富美男。最近は「面白いおっちゃん」で親しまれているが、このドラマでは嫌がらせをする漁協組合長。悪の顔全開で演じているが、「悪役が似合う」と好反応。バラエティーで見せる顔とのギャップが関心を呼んでいる。

 大河「鎌倉殿の13人」で脚光を浴びた歌舞伎役者の坂東彌十郎はTBS系の「クロサギ」に大物詐欺師で出演。黒幕を演じている。

「顔芸は歌舞伎役者のお家芸。彌十郎の演技はさすがです。若手の尾上松也も敵役で面白い存在になりそう」(演劇関係者)

 主役の平野紫耀と敵対する彌十郎の駆け引きはクライマックスまで続く。本来なら敵役として香川が出演予定だったTBS系の「アトムの童(こ)」。さまざまな俳優の名前が挙がったが、オダギリジョーが代役で登場。朝ドラ「カムカムエヴリバディ」で見せていた気のいい父親から一転、ニヒルで不気味さも漂う悪役ぶりを見せている。主役の山崎賢人とのイケメン対決が最大の見どころ。ドラマのカギを握るのは敵役にあり、だ。 

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