NHKがそこまでやるのか…“男女逆転”のドラマ10「大奥」に民放各局は戦々恐々
思いっきりエンタメ系に振り切った狙いは
これまでドラマ10は、「拾われた男 LOST MAN FOUND」「オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ」「少年寅次郎スペシャル」「透明なゆりかご」など、視聴率は二の次で、クセが強かったり、正統派だけど退屈だったりというドラマが多かった。それを思いっきりエンタメ系に振り切ったのはどんな狙いなのか。
「いまNHKでは、民放以上に視聴率や番組の話題性が重視されます。今年10月から受信料を1割引き下げるので、今後は大幅減収必至。これを将来的にカバーするため、受信料営業の強化を急いでいます。ケーブルテレビとの提携や、宛名がなくても届く『特別あて所配達郵便』で未契約の世帯や事業所に契約書を送付するもので、その時に『お金を払っても見たい』『民放より面白い』という番組がどれだけあるかが勝負になります。大奥はそんな目玉のひとつというわけです」(テレビ雑誌編集デスク)
あおりを食ったのが、裏番組のTBS系ドラマ「夕暮れに、手をつなぐ」である。広瀬すずと「King & Prince」永瀬廉の初共演というのに、ジャニーズ系で恋愛ものと、「大奥」とすっかりかぶってしまった。この競合、奇抜さだけでなく、予算も時間もたっぷりかけた「大奥」に分がありそう。
「民放と同じような番組はいらない」と批判されてきたNHKだが、今年のテレビ界は、「民放にはない面白さ」でNHKの独走かーー。
(コラムニスト・海原かみな)