少年隊・錦織一清が自叙伝「少年タイムカプセル」で語ったことと語らなかったこと
「でも今にして思えば、手放しでジャニーさんに褒められたのは、これが最初で最後だったかも」
晴れて錦織さんは合格、入所を果たすのだった。
さて、ここまで『少年タイムカプセル』の妙味を忌憚なく書いた。だが、あの衝撃的なニュースについても触れなければフェアではないだろう。ご存じの方も多いと思うが、日本時間の3月8日(水)早朝、喜多川氏の性加害疑惑の実態を暴く1時間のドキュメンタリーが英BBCで放映されたのだ。現時点で日本からは数分間の予告編しか観ることができないが。
ぼくはSMAPをはじめジャニーズにはいくつか作品を提供してきた。面識のあるタレントやスタッフもいるが、性加害の有無は知らない。ただ、未解決問題を抱えて他界した政治家を批判すれば「死者に鞭打つのか」ときつく非難されるような環境にいると、今回のBBC放映は、取材対象が亡くなろうと放免にはしない国のジャーナリズムの骨太さをまざまざと見せつけられる気がした。