少年隊・錦織一清が自叙伝「少年タイムカプセル」で語ったことと語らなかったこと
ジャニーズという超大手芸能事務所の内部で、「倫理的に好ましくない何か」が常態化していたらしいと感じてきた人は、けっこう多いのかもしれない。だが、うっすら嫌悪感を覚えつつも、それはそれとして、同事務所のタレントによる歌舞や演技を心から楽しむことができる人も少なくないように見受けられる。この国の「普通」である。
BBCの予告編に出てきたが、取材スタッフは、性加害の有無そのものより、疑惑を認識したうえで放置する、つまり実質的に容認しているニッポン社会が怖いといった内容のことを語っていた。『少年タイムカプセル』では、性加害があったかどうか、その片鱗さえ描かれることはない。