塾講師兼ピン芸人・寺田寛明さんが振り返るR-1決勝3位 塾の生徒からかけられた言葉
次の人がネタやるごとに「抜かれる!」とか考えてしんどかった!
決勝のファイナルに残るのは2組ですが、結局最後の2人に続けて抜かれるまでトップ。
次の人がネタやるごとに「これは抜かれる!」「これなら勝てたかな!」といろいろ考えてずっとしんどかったです!
得点は審査員1人ずつ出される演出じゃないですか。ある芸人の時、ザコシショウさんからの最初の3人に90点台が出て「うわ、抜かれる!」と思ったら、あとの2人が80点台だったり。2点差で僕が上回ったケースもあり、1人ずつ点数が出るたび、心臓に悪かった。
そんなにしんどい思いをして残り続けたのに、ラストの2人に続けて抜かれて。まず7番目の田津原(理音)が圧倒的な大ウケで、「これは負けた」と思ったら、やはり抜かれました。結果的には田津原が優勝したのですが、本番前に楽屋でしゃべった時に2本目のネタも強いネタだと知ったので、「もしファイナルで自分と対戦しても勝てないな」と正直思い、「だったら2本目のネタは温存してもいいか」と思っちゃって(笑)。そしたらコットンきょんにも抜かれ、本当に2本目はやらずに終わりました。僕としてはファイナルまで行ったのに優勝できなかったらショックが大きい気がしてましたから。温存できたネタは近く使いたいです。
モニターを使ったピン芸人が増えましたね。去年ある方がユーチューブで、「テレビの画面の中で紙をめくるネタが時代に合ってないんじゃないか」とおっしゃってました。それに僕が思うにフリップをめくるよりモニターでバッと映すのは時間がかからない。ボケを連打でいけるので、テンポよく手数を増やせる。ただその分、セリフ量が増えるし、早口で読みたいから噛みやすくなったので、そこも課題。単に緊張しすぎて噛んだのか(笑)。
過去2回が下位だったので、3位になれたことと、バカリズムさんに初めていい点をつけてもらえたことがうれしかったんです。
バカリズムさんが好きで、今の事務所に入ったので。
本番後、バカリズムさんの楽屋に挨拶に行ったら、「去年より内容が面白くなってたよ」と言ってもらえました。
今年は周りの反響もよかったです。でも、忙しくはなってなくて(笑)。塾の生徒の子たちもみんな喜んでくれました。「先生の方が勝ってたよ」と言ってもらえたり。
来年はどういうネタにしようか、今から思案中です。規定で来年が出場できるラストイヤー。少しずつ順位を上げたので、次は優勝して終わるというストーリーはできてますから。今年までの3年は優勝のための準備ととらえて。
優勝して賞金をもらえたら、アイドルフェスを開催したい。安田大サーカスのクロちゃんさんのクロフェスにも行きました。実現のためにも来年は、必ず優勝したいです!
(聞き手=松野大介)
▽寺田寛明(てらだ・ひろあき)1990年10月埼玉県出身。中学1年から高校まで通っていた塾で講師を務めながらピン芸人活動中。