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増淵敏之法政大学大学院政策創造研究科教授

1957年、札幌市生まれ。法政大学大学院政策創造研究科教授。専門は文化地理学。東芝EMIやソニー・ミュージックエンタテインメントなどでコンテンツ制作に携わった経歴を持ち、現在はコンテンツツーリズム学会会長や文化経済学会日本特別理事などの公職も務める、コンテンツ戦略の第一人者。「ローカルコンテンツと地域再生」(水曜社)、「『湘南』の誕生」(リットーミュージック)、「おにぎりと日本人」(洋泉社)など著書多数。最新刊に「韓国コンテンツはなぜ世界を席巻するのか」(徳間書店)がある。

(2)20年前の最初の韓流ブーム「冬ソナ」ゆかりの地に向かう「ロケ地巡りツアー」の新しさ

公開日: 更新日:

 ちょうど今年は「冬ソナ」から20年、何度か浮沈はあったものの、K-POP含めてすっかり韓国のコンテンツは日本でも定着したかのように見える。もちろん数多くの日本人観光客が訪れた「冬ソナ」の頃も、同作品の聖地である南怡島にはカフェもつくられ、周辺の聖地化は行われていた。

■日本とは異なる韓国独自の聖地巡礼

 さて第4次韓流ブームの現在、韓国では聖地巡礼はどのような状況にあるのだろうか。そして日本人観光客の観光行動に何らかの変化があるのだろうか。筆者も22年8月、12月と韓国を訪れた。これは23年2月に徳間書店から刊行された「韓国コンテンツはなぜ世界を席巻するのか」の調査のための意味もあった。

 韓国と違い、日本では聖地巡礼、つまりコンテンツツーリズムはアニメが中心であり、副次的に映画ドラマ、マンガなどのアニメ以外のコンテンツの聖地巡礼行動が生じているといえる。韓国独自に萌芽した聖地巡礼行動には興味深いものがある。(つづく)

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