(2)20年前の最初の韓流ブーム「冬ソナ」ゆかりの地に向かう「ロケ地巡りツアー」の新しさ
ちょうど今年は「冬ソナ」から20年、何度か浮沈はあったものの、K-POP含めてすっかり韓国のコンテンツは日本でも定着したかのように見える。もちろん数多くの日本人観光客が訪れた「冬ソナ」の頃も、同作品の聖地である南怡島にはカフェもつくられ、周辺の聖地化は行われていた。
■日本とは異なる韓国独自の聖地巡礼
さて第4次韓流ブームの現在、韓国では聖地巡礼はどのような状況にあるのだろうか。そして日本人観光客の観光行動に何らかの変化があるのだろうか。筆者も22年8月、12月と韓国を訪れた。これは23年2月に徳間書店から刊行された「韓国コンテンツはなぜ世界を席巻するのか」の調査のための意味もあった。
韓国と違い、日本では聖地巡礼、つまりコンテンツツーリズムはアニメが中心であり、副次的に映画、ドラマ、マンガなどのアニメ以外のコンテンツの聖地巡礼行動が生じているといえる。韓国独自に萌芽した聖地巡礼行動には興味深いものがある。(つづく)