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北島純映画評論家

映画評論家。社会構想大学院大学教授。東京大学法学部卒業、九州大学大学院法務学府修了。駐日デンマーク大使館上席戦略担当官を経て、経済社会システム総合研究所(IESS)客員研究主幹を兼務。政治映画、北欧映画に詳しい。

映画で理解する「インドは何が凄いのか?」 大ヒット中「RRR」は製作費97億円の超大作!

公開日: 更新日:

 インド映画「RRR(アールアールアール)」がロングランでヒット中だ。インド映画史上最高となる97億円の製作費をかけたこの作品、監督はS・S・ラージャマウリ(49)。映画史に残る超大作「バーフバリ 伝説誕生」(2015年)、「バーフバリ 王の凱旋」(17年)を手掛けた若き巨匠だ。

 舞台となるのは、大英帝国による過酷な植民地支配に喘いでいた1920年のインド。英国人総督夫妻に連れ去られた少女を取り戻すべくデリーに潜入した男ビームと、警察官として植民地支配の片棒を担ぐラーマは、相いれぬ立場ながら偶然出会い、厚い友情を取り交わす。

 この2人が、燃え広がろうとするインド独立運動にどう関わるか。超高速ナートゥダンスやエキストラ6000人を動員した超絶アクションを挟みながら、3時間という長尺を物ともしないドラマが繰り広げられる。

 世界興収3.7億ドル(約418億円)をたたき出した傑作中の傑作「バーフバリ」2部作が「古典的な神話世界」を描いたおとぎ話であるのに対して、「RRR」は蜂起(Rise)の咆哮(Roar)が反乱(Revolt)を胎動させるという、「現代インドの出発点」を描く胸熱の現代史劇だ。

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