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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

価値観の違いを受け入れ ブラマヨの2人は人間性の乗った漫才を生み出す

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「M-1」に人生を懸けている、ゆにばーすの川瀬名人は「ブラックマヨネーズ以前・以後」で漫才の歴史は変わったと熱弁している。「人間性が乗っかった漫才を初めてM-1で披露したのがブラマヨ」(テレビ朝日系「見取り図じゃん」23年2月13日)だと。バナナマンの設楽は「ボケとツッコミを超えた人間と人間のぶつかり合い」(TBS系「バナナサンド」20年9月9日)と評した。

 冒頭の番組でも、オードリーの若林が「ブラマヨさんみたいな(漫才の)作り方をいつかできたらいいなってずっと思ってる」と憧れを口にし、「他の芸人さんのネタを見てうらやましいとか思わないですか?」と尋ねると、吉田はその質問自体に驚いたように「ちょっと発想にもなかった」と答えた。そして「何が人生でツイてたかって言うたら、ほんまに小杉(との出会い)ちゃうかな?」と言うのだ。

 吉田は幸せな家庭を築き、「心臓がなんで動いているかわからない」と思っていたほど“考え過ぎ”なネタはもうできなくなった。「『第1部完』なんです」(フジテレビ系「おかべろ」21年5月15日)と自嘲するが、吉田が「自然の星がキレイ」と思うタイプで東京を離れたのに対し、小杉は「都会の星(夜景)がキレイ」と思うタイプ。そんな価値観の違いで、人間性の乗った極上の漫才を2人は今も生み出し続けている。

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