価値観の違いを受け入れ ブラマヨの2人は人間性の乗った漫才を生み出す
「M-1」に人生を懸けている、ゆにばーすの川瀬名人は「ブラックマヨネーズ以前・以後」で漫才の歴史は変わったと熱弁している。「人間性が乗っかった漫才を初めてM-1で披露したのがブラマヨ」(テレビ朝日系「見取り図じゃん」23年2月13日)だと。バナナマンの設楽は「ボケとツッコミを超えた人間と人間のぶつかり合い」(TBS系「バナナサンド」20年9月9日)と評した。
冒頭の番組でも、オードリーの若林が「ブラマヨさんみたいな(漫才の)作り方をいつかできたらいいなってずっと思ってる」と憧れを口にし、「他の芸人さんのネタを見てうらやましいとか思わないですか?」と尋ねると、吉田はその質問自体に驚いたように「ちょっと発想にもなかった」と答えた。そして「何が人生でツイてたかって言うたら、ほんまに小杉(との出会い)ちゃうかな?」と言うのだ。
吉田は幸せな家庭を築き、「心臓がなんで動いているかわからない」と思っていたほど“考え過ぎ”なネタはもうできなくなった。「『第1部完』なんです」(フジテレビ系「おかべろ」21年5月15日)と自嘲するが、吉田が「自然の星がキレイ」と思うタイプで東京を離れたのに対し、小杉は「都会の星(夜景)がキレイ」と思うタイプ。そんな価値観の違いで、人間性の乗った極上の漫才を2人は今も生み出し続けている。