市川猿之助の“復帰シナリオ”を考える…起訴前に「名跡返上」で澤瀉屋の危機を回避
この危機的状況を回避するには、名跡を返上させるのが一番だ。松竹と猿之助の事務所が話し合い、ここが大事だが、警察の捜査が終了する前に本人と会って「猿翁さん(3代目猿之助)の持っていたものですから、すぐにお返しします」と言わせるのがいい。猿之助自身から「この名跡は歌舞伎界のもので、自分のものではない」などと意思表示をさせるわけだ。
そうすれば、名跡もそうだが、猿之助にとっても都合がいい。猿之助の名跡はしばらく「空いた格好」になり、後継(5代目)の問題も浮いたままにできるからだ。
名跡を返上した後に検察の判断が出るだろうが、不起訴か起訴猶予、もし起訴されても執行猶予付きの判決ということが考えられる。いずれにしても、一定の期間を空けてホトボリがさめたところで本名の喜熨斗孝彦として演出家などで復帰して地道に努力すれば、応援してくれる人も増えるだろうし、「余人をもって代えがたい」という声も出てくるだろう。その上で堂々と猿之助の名跡に戻せばいいと思う。
ただ、現場復帰の時には、きちんと記者会見をし、一家心中にいたるまでの経緯から歌舞伎界のセクハラ・パワハラ問題について包み隠さず説明する必要があるだろう。何が何でも復帰は許せない、許してはいけないという意見もあるだろうが、このまま俳優廃業は惜しいような気がする。