(7)「やったー!」のない人生なんてつまらない。ひとつでも多く経験すること

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■73歳で空中ブランコに乗って、逆吊りで歌いました

「なんで、懸垂なの?」と思った中尾さんだが、その理由を聞いて納得。

「主人公の祖母役だったんですが、なにしろ、高さ3メートルの空中ブランコに乗り、出演者の男性に足首をつかまれて、ほぼ逆さ吊りになる。おまけにその姿勢で歌わなきゃならないっていう役なんですからね。腕力が必要なわけですよ。私、73歳ですよ。『できるかな?』って思ったけれど、すぐに『やってやろうじゃないの』って……。ジムでパーソナルトレーナーと一緒に鍛えたり、時間を見つけて公園の鉄棒にぶら下がったりしてがんばりましたよ。残念ながら、懸垂10回は無理でしたけどね」

 だが、中尾さん、空中ブランコのほぼ逆さ吊り状態での演技、歌唱のパフォーマンスを見事にやり遂げた。それがブロードウェーでヒットした「ピピン」の日本語版公演だ。公演を見たファンはもちろん、ほかの出演者、舞台関係者らからも称賛された。この公演は昨年も再演され、中尾さんも同じ役を見事に演じ切った。

「この年齢になると“別にそこまでやらなくても”って思うこともないわけじゃない。でもね、私はそういう気持ちをできるだけシャットアウトするようにしている。そうでないと、なにごとに関しても、やらない理由、やれない理由ばかり探すようになってしまう。そのうち、分別とか年甲斐とかなんていいはじめて、新しいことをやらなくなったりして……。それじゃ生きていたってつまらないでしょ。それよりも、やるためにはどうすればいいかを考えて、がんばってみるほうが楽しいはずですよ。懸垂は10回できなかったけれど、5回、6回でもできるようになれば、それはそれでうれしいことだしね。ゼロよりは間違いなく進歩しているわけだから……。それをつづけていけば、もしかすると10回できるようになるかもしれない。そうすれば“やったー!”っていう達成感も味わえる。この達成感って、人生を楽しむためには不可欠ですよ。もっともっと楽しまなきゃ。ただし、これはちょっとした“がんばり”もセットになりますけどね」 =つづく

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