時代のうねりに目をつむる。それは戦うべき敵(エネミー)を見過ごすことである
15年間在籍した音楽事務所スマイルカンパニーとのマネージメント契約終了を告知するツイートから3週間近く、「スマイルカンパニー契約解除の全真相」なる扇情的な見出しがつけられた「メロウな木曜日」特別版から2週間が経った。
そのあいだに、スマイルカンパニーの看板スター山下達郎さんはご自身のラジオ番組でおよそ7分間にわたり所見を述べて話題を集めた。いっぽう、達郎さんとも縁深い音楽界の名家・服部家の服部吉次さんは、70年前に故ジャニー喜多川氏から受けた性的虐待について、本紙で克明に語った。当時の吉次さんが8歳だったことに加え、ジャニーズ事務所が設立される前の出来事というのも衝撃的だった。
その後、吉次さんはやはり喜多川氏に性的虐待を受けた松崎基泰さん(小学校の同級生)とふたりで記者会見に応じた。2時間半に及んだ会見の全貌はYouTubeチャンネル「Arc Times」で観ることができるが、会見にテレビ局が1社も参加しなかったという事実は、一連のジャニーズ性加害報道に決定的に欠けているものをあぶり出している。課題は依然として多い。