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ラリー遠田お笑い評論家

1979年、愛知県名古屋市生まれ。東大文学部卒。テレビ番組制作会社勤務を経てフリーライターに。現在は、お笑い評論家として取材、執筆、イベント主催、メディア出演。近著に「お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで」(光文社新書)などがある。

サルゴリラが紆余曲折の末つかんだ「キングオブコント」史上最年長王者の栄冠

公開日: 更新日:

 そんな中で、松橋1人が家事を得意とする「家事えもん」というキャラクターでバラエティー番組に出演して、大ブレークした。トリオとしての足並みが揃わなくなり、ジューシーズは解散することになった。

 残された赤羽と児玉はサルゴリラとして新たに活動を始めた。トリオ時代には松橋が主導権を握って2人の尻を叩いているようなところがあった。そんな松橋が抜けたことで、彼らは自分たちのペースで楽しく活動をすることを重視するようになった。

 好きなネタをどんどんやるようにしてみたところ、それが面白いと業界内で評判になっていった。そしてついに昨年、「キングオブコント」の決勝に駒を進めたのだ。

 昨年の決勝は史上まれに見るハイレベルな戦いだと言われていた。そんな中で、サルゴリラの2人は自分たちのスタイルを貫いて、ぶっちぎりの高得点を獲得して優勝を果たした。

 彼らは今でも仲が良く、一緒に食事をしたりすることもある。大会当日にも連れ立ってしゃぶしゃぶを食べて、サウナに行って、ショッピングまでしていたというのだから驚きだ。

 人生を変える大舞台の直前まで彼らは自分たちのペースを崩さず、お笑いをやることを心から楽しんでいた。

 彼らのコントには独特のとぼけた味わいがある。それはマイペースな2人の間で長い年月をかけて熟成されたものなのだろう。=つづく

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