松本人志の「5億円訴訟」は高いのか、安いのか…6億円もあった過去の週刊誌賠償請求
また、A子だろうと思うが、裁判になれば出廷して証言をしてもいいという情報もあるから、松本側にとっては手ごわい証人になるはずである。
では、この裁判、松本側に不利かというと、そうではない。私は、文春側に厳しいものになると思う。なぜなら、この国の名誉毀損裁判では、訴えられたメディア側、つまり文春側が、「記事は真実であり、これを報じることには公共性、公益性があった」と立証しなければならないという“不当な縛り”がかけられているからである。欧米では、名誉毀損で訴えた側、つまり今回なら松本人志側に立証責任があるが、この国の司法には「メディア、特に週刊誌は嘘を書く」という“偏見”がいまだに根強くある。
しかも報道内容が「事実」だと認定されても名誉毀損は成立する。私の経験則では、和解を除いて文春側が勝つ確率は2~3割程度ではないか。それでも今の文春の総合力をもってすれば十分戦える。私はそう思っている。 (文中敬称略)
(「週刊現代」「フライデー」元編集長・元木昌彦)