プロドラマーあらきゆうこ「オノ・ヨーコさんに初めて会った時は背筋が伸びるような感覚が」
39歳で乳がんと宣告。幼少から独特の死生観の持ち主
40歳の誕生日の前でした。健康診断に引っ掛かって再検査したら「乳がんです」って言われました。ショックな気持ちよりも「両親に伝えるのが重たいな……」という思いが先立ちました。娘から「大事な話がある」と言われた両親は「彼氏かな?」「妊娠かな?」なんて思ったみたい。何だか笑っちゃいますよね。
幼少期の頃から、独特の死生観を持っているかも……そんな自覚がありました。病名を宣告された時も「そっか、死ぬタイミングが来ただけ」って感じで。「死んでもやりたいことがある」「やりたいことの場所が変わるだけ」と正直な気持ちを伝えたらマネジャーがビックリしてました。
大好きな叔母を同じ病気で亡くしたマネジャーは、どの病院のどのドクターにセカンドオピニオンを受けるのがベストなのか、どんな治療法があるのか、一緒に探してくれました。
最終的に温存療法を選び、今は2カ月に1回のペースで神奈川・茅ケ崎の病院に通っています。
発症して10年ちょっと経ったし、これからは必要以上にナーバスにならず、関わりのある人すべてに感謝の気持ちを忘れず、前を向いて生きていきたいと思います。
この病気になったことで、今まで以上に自分の体と対話することが多くなったし、食事や生活習慣に気を付けるようになりました。
あと深酒はしないように、なんて自分自身を戒めることも増えましたね。フィジカル的には、ドラマーとして生きていく寿命が延びたように思います。