プロドラマーあらきゆうこ「オノ・ヨーコさんに初めて会った時は背筋が伸びるような感覚が」

公開日: 更新日:

あらきゆうこ(プロドラマー)

 2月21日に50回目の誕生日を迎えるプロドラマー・あらきゆうこにとって故ジョン・レノンの妻オノ・ヨーコ(90)との邂逅とコラボレーションは、飛び抜けてエキサイティングな出来事だった。

 ◇  ◇  ◇

 オノ・ヨーコさんのレコーディングセッションに加わったり、ライブツアーのドラマーとして参加した話の前に……やっぱりジョン・レノンとヨーコさんとの息子、ショーン・レノンとの出会いからお話ししましょうか。

 場所は、新宿・歌舞伎町にあったライブハウス「リキッドルーム」でした。元フリッパーズ・ギターの小山田圭吾リーダー率いるCornelius(コーネリアス)のドラマーでのライブです。

 小山田さんのことは“小山田リーダー”と尊敬をこめて呼んでます。その日、ずっと前から大好きだった音楽ユニットのCibo Matto(チボ・マット)のメンバーのひとり、本田ゆかさんが見に来てくれていたんです。ライブの後に「ゆかさんが『凄く良かった』って褒めてたよ」と聞かされ、本当にうれしくなってゆかさんに会いに行き、その場にいた外国人男性に「2人一緒の写真を撮って下さぁ~い!」って頼んだんです。

 すると周囲の雰囲気が「おいおい、それ、マズくないか!?」ってなって……。ゆかさんと出会えたことに舞い上がってしまい、その外国人男性が誰なのか、ちゃんと顔とか見なかった。そうなんです! ジョン・レノンとヨーコさんとの間に生まれた息子さん、ショーンだったんですよ! 

 コーネリアスのファンだったショーンは、ニューヨーク在住で一緒に音楽活動をやっていたゆかさんと日本を訪れ、そこで偶然にも2人とご縁がつながりました。

 私もメンバーのミクスチャー系バンド・SMORGAS(スモーガス)のリミックスをその後、ゆかさんにお願いすることになって。そこでもショーンがギターで参加してくれたり。

■「おぉ! オノ・ヨーコさんだぁ~!」

 2009年の1月だったかな。ニューヨークを訪れた時、ゆかさんと同じダウンタウンのシェアハウスに滞在させてもらって。ちゃんとしたスタジオがあり、地下にキッチンがありました。ゆかさんの手料理を食べていた時にヨーコさんがフラッといらして。さすがに「おぉ! オノ・ヨーコさんだぁ~!」って思いましたね。

 やっぱり緊張というか、身構えるというか、ピシッと背筋が伸びるような感覚がありました。でもヨーコさんって偉ぶったり、上から目線だったり、そんなことはありませんでした。

 この時、ヨーコさんから「あなたたち、いいバイブス(波動、テンションなどの意味)だわね」と私とゆかさんに声をかけてもらえたのはうれしかった。

 その頃、ゆかさんとショーンたちは「キメラ・ミュージック」という新しい音楽レーベルを立ち上げ、ヨーコさんが「プラスティック・オノ・バンド」を復活させてニューアルバムを出すことになっていたこともあり、ニューヨークでヨーコさんにショーン、ゆかさん、小山田リーダーたちを交えてセッションを重ね、曲作りを進めていくことになりました。

 ヨーコさんとのレコーディングやライブは、ご本人に対して普段会った時、私が勝手に感じる緊張感は全くなく、ある意味、ミュージシャンとして対等に音を出すことができたと思ってます。

 アーティストのヨーコさん、ドラマーとして自分との関係性は常にフラットな気持ちで、いつもリラックスしてプレーすることができました。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  2. 2

    人事局付に異動して2週間…中居正広問題の“キーマン”フジテレビ元編成幹部A氏は今どこで何を?

  3. 3

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  4. 4

    中居正広氏&フジテレビ問題で残された疑問…文春記事に登場する「別の男性タレント」は誰なのか?

  5. 5

    TV復帰がなくなった松本人志 “出演休止中”番組の運命は…終了しそうなのは3つか?

  1. 6

    "日枝案件"木村拓哉主演「教場 劇場版」どうなる? 演者もロケ地も難航中でも"鶴の一声"でGo!

  2. 7

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  3. 8

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」

  4. 9

    ビートたけし「俺なんか悪いことばっかりしたけど…」 松本人志&中居正広に語っていた自身の“引き際”

  5. 10

    フジテレビを襲う「女子アナ大流出」の危機…年収減やイメージ悪化でせっせとフリー転身画策

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…