台湾で公開された「青春18×2」は、日本の実写映画としては異例の好スタートを切った
■台湾市場での日本映画は…
問題は台湾市場での日本映画だ。歴代の日本映画の興行収入ランキング1位は「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」で6億3490万台湾元(現在のレートで約30億円)を突破。これに2位の「スラムダンク」や3位の「すずめの戸締まり」が続く。だが、4位の「君の名は。」から10位の「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」まで実写映画は1本も入っていない。アニメだけだ。
過去には台湾で人気の高い山下智久主演の「劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」も公開されていたが、あっけなく上映が終了したとファンの女性は嘆いていた。やはり、映画も韓国映画ほどは見られていないのが現状だ。
こうした状況に風穴をあけようとしているのが、藤井道人監督の日台合作映画「青春18×2 君へと続く道」だ。台湾で話題を呼んだ紀行エッセーを映像化した作品で、木藤氏も「台湾では先月『青春18×2』が公開され、日本実写映画としては異例の好スタートを切りました。台湾で新たな記録を打ち立てるかもしれません」と映画のヒットに期待を寄せる。
一方で台湾ではかねてホラー映画が絶大な人気を得ており、公開中の韓国ホラー映画「破墓」も大ヒット上映中だ。そのため今の台湾映画市場で、切ない恋模様を描いた「青春18×2」と韓国ホラー「破墓」が互角の戦いを繰り広げるという奇妙な展開になっている。