田原俊彦さんは15歳でジャクソン5「I Want You Back」に脳天を撃ち抜かれた…MJ見続け48年
マイケルだけは来日するたびに見に行きました
僕はドラマ「3年B組金八先生」で人気になり80年のデビュー曲「哀愁でいと」がヒットしましたが、その間もマイケルを見続けました。20代から30代、40代、彼が50歳で亡くなるまでショーを作る上でもずっと参考にさせてもらいました。曲の並び、セットリストから照明、衣装なんかもちょいちょいマネして。マイケルが手袋をしたら僕も手袋をする、ボルサリーノをかぶって踊ったら僕もかぶる、ムーンウオークも習得する……。
マイケルは4回ツアーで来日し東京ドームなどで公演を行っていますが、全部見に行ってる。これまでロッド・スチュワート、ビリー・ジョエル、ダイアナ・ロス、マドンナ、ジャネット・ジャクソンら外国の名だたるアーティストの公演に行ってるけど、どれも1回こっきりです。でも、マイケルだけは来日するたびに見に行きました。
どんなショーをやるのか、どんな動きをするのか……そういう意識で見ていましたね。毎回やる曲はそれなりに決まっている。でも、それでも飽きない。何回見ても盗むところがあるから。マイケルに関しては僕はちょっと異常でしたね。
80年代になって「スリラー」のミュージックビデオが出た時もセンセーショナルでしたね。あの時は「Billie Jean」や「Beat It」(ともに82年)のシングルミュージックビデオも作られた。もう少し後に出た「Ghosts(ゴースト)」にもすごく刺激を受けました。
過去のワールドツアーのステージをYouTubeでいつでも見ることができるようになりました。それを今も夜な夜な見ています。見始めると2時間はアッという間ですね。夜はリビングの明かりなんかが窓に映るじゃないですか。踊る姿も映って見えるからやってみたりね。僕のパフォーマンスは田原俊彦オリジナルだけど、かなりマイケルを意識しているし、それは僕にしか出せないものだという思いはありますよ。
マイケルは一番リアルタイムで見てきたアーティストで、同世代。30年以上も見てきたのでやはり特別です。しかも、僕の場合、ソロだから、自分で掴んだものをそのままオリジナルで動くことができる。グループのように合わせる必要がないから、マイケルを見て学んだスキルを自然と反映させることができる。それも強みだと思っています。
好きな曲といわれたら「I Want You Back」以外では、ひとつは初期の「Rock With You」。全身スパンコールでカシャーンて感じの衣装の。まだ「スリラー」に行く前のブラックコンテンポラリーのノリもよくて。それから「Billie Jean」と、「Smooth Criminal」。この3曲かな。
ツアーには何度も行ったけど、直接会ったことはないです。会っちゃダメでしょ。メチャ緊張するだろうし、「フー」なんて言ったら怒られそうじゃん(笑)。
うれしかったのはロス五輪(84年)の時。現地を聖火ランナーで走ったら「日本のマイケル」って紹介された。マイケルには失礼かもしれないけど(笑)。