沖縄アクターズスクール創業者マキノ正幸が切り開いた沖縄が“芸能大国”になる日は近い
沖縄アクターズスクール創業者・マキノ正幸氏が6月28日に亡くなった(享年83)。最後に会ったのは2年ほど前だった。
終の棲家だった沖縄・北谷近郊の一軒家。ガレージには愛車のベンツがあった。こんな話を思い出す。
「当時(1980年代前半)の沖縄でベンツに乗っていたのは私とヤクザぐらい(笑)。治安の悪い時代は金持ちと思われたのか、車の後をつけられたこともあった」
今は病院と役所の往復だけ運転しているというマキノ氏。相変わらず若々しく、元気そうだった。驚いたのは記憶力。昔の話を昨日のことのように話す。固有名詞も途切れることなく出てきていた。当時は自宅の居間で数人の生徒を教えていた。
「沖縄はまだまだ素晴らしい才能を持った子がたくさんいる。その子たちを発掘して育てられる指導者がいなければ埋もれてしまう。そのためにも頑張りますよ」と将来を語るときの目の輝きは昔と変わらなかった。
一時、体調を崩し入退院を繰り返していたと聞いていたが、息子や娘のサポートで2022年に「沖縄アクターズスクール大復活祭」を開催。出身アーティストも出演して完全復活の機運も高まっていただけに、無念だったと思う。