女優・松下恵さん 母親・榊原るみさんの手料理「ポークソテーのリンゴ煮」
中学生だった私が食べるのをじっと見つめて
母親は食欲がないからか自分は食べず、一食分だけ作って私の斜め前に座り、食べる私をじっと見てる。その様子を鮮明に覚えています。ちょっと悲しい思い出ですが、忙しくて悩んでいても娘のために作ってくれたことに愛情を感じていました。
私は私で右も左もわからない芸能界で大変でした。元々はスカウトされて仕事をいただき始めたのですが、母親は学業を優先しなさいと反対することはなく、「やってみたいならやりなさい」と背中を押してくれました。母親自身が3歳でデビューしていましたからね。
母親からのアドバイスは常識的な3つだけでした。「おはようございますの挨拶をちゃんとする」「楽屋に上がる時は靴を揃えて脱ぐ」「衣装さんにお借りした衣装は畳んで返す」。とても大切なことでありがたかったです。それ以外は何も教えてくれませんでしたが(笑)。
その後、母親は12年間アメリカで暮らし、その体験がよかったのか帰国してからは明るくなり、最近は積極的に芸能活動を再開しています。ポークソテーのリンゴ煮を作っていた苦しい時期とはまるで別人(笑)。
実は私が中学生の頃所属していた某プロダクションに当時の母親も入って活動していて、アメリカから帰国した際は私が東映に入らせていただくと、「一緒に入りたい」とまたも同じ所属となりました。今はおばあさん役を演じるなど楽しそうです。親子共演もしていけたらいいですね。
■絵本の読み聞かせイベント開催
これからライフワークにしていきたいことは子供たちへの絵本の読み聞かせです。母親も私と同じ年の頃に読み聞かせをしていたんですよ。
ご縁があり、11月に北海道で絵本の朗読イベントをさせていただくことになりました。そこをスタートにいろんな土地を訪れ、読み聞かせをしながら、人々と交流を深めていきたい。朗読の旅を続けていけたら、と思っています。
《一般的な作り方》(4人分)
①フライパンに油を熱し、塩コショウをした豚ロース(トンカツ用など)を入れ、中火で焼いたら裏返して蓋をして焼いて皿に取り出す。
②リンゴは12等分くらいに細く切り、キッチンペーパーで軽く水気を拭き取り、バターを熱したフライパンに並べ、焼き色を付けたら砂糖をまぶして、リンゴの両面に絡め、砂糖が完全に溶けたらリンゴを皿に取り出す。
③同じフライパンに白ワイン、塩コショウを加えて中火にかけ、焦がさないよう木べらなどでかき混ぜながら煮詰める。とろみがついたら豚肉とリンゴを盛り付けた皿の上から回しかける。
※細切りにして炒めたタマネギをソースに混ぜるレシピもあり。
▽松下恵(まつした・めぐみ) 1981年1月生まれ。93年にデビュー。ドラマや映画で活動。11月24日、絵本の朗読会&ドキュメンタリー主演映画「アラフォーの挑戦 アメリカへ」上映会イベントを北海道網走郡津別町のコミュニティー施設・ウッドリームで初開催。