著者のコラム一覧
桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

公開日: 更新日:

消費されるどころか、視聴者の目に届くことなく消える

 NHKの再放送でもうひとつ。今週18日から昼帯に21年度後期の朝ドラ「カムカムエヴリバディ」の再放送を始めた。上白石萌音深津絵里川栄李奈の3人のヒロインでつなぐ100年の物語は大きな反響を呼び、ギャラクシー賞選奨をはじめ、放送文化基金賞奨励賞や東京ドラマアウォード2022連続ドラマ部門優秀賞に選ばれた人気作だ。

 再放送を前に「カムカム」の事前宣伝で名シーンをランキング形式で紹介するなど異例の扱いでNHKの力の入れようがわかるが、気の毒なのは橋本環奈の「おむすび」。「カムカム」に続いて放送されることで雑な作りが悪目立ちしている。同じNHK大阪制作なのにこんな残酷なことがあるだろうか。

 これら良作を見るにつけ、昨今の粗製乱造なドラマを憂う。しょぼいドラマを作るくらいなら、ある程度制作費がたまったところで、渾身の一作を作ればいいのに。

 そもそもドラマの数が増え続けることで消費されるどころか、視聴者の目に届くことなく消えてしまっている。

 そういえば、NHKで10月に亡くなった西田敏行の追悼番組として放送されていた「おらが春~小林一茶~」も素晴らしいものだった。こういう後世に残るようなドラマをもっと見たい。

 今からでも遅くないので、深夜のチャレンジ枠はともかく、ゴールデンなどは本数を絞って、予算も人員も時間もかけたものを作るべき。ドラマの大量リストラだ。人気の配信ドラマに対抗するにはそれしかない。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    フジテレビ「第三者委員会報告」に中居正広氏は戦々恐々か…相手女性との“同意の有無”は?

  3. 3

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  4. 4

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  5. 5

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  1. 6

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 7

    冬ドラマを彩った女優たち…広瀬すず「別格の美しさ」、吉岡里帆「ほほ笑みの女優」、小芝風花「ジャポニズム女優」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」