「仮面の忍者 赤影」で青影役 金子吉延さんは週5日の病院通いで「ダイジョーブ?」
「ただ楽しい、って気持ちでやってた作品が、50年以上たった今も、覚えていてくれる人がいるんだからスゴイよね。『ダイジョーブ!』と言うときの手の動きは、演出の倉田準二先生のアイデア。赤影を演じた坂口(祐三郎)さんは、イイ男だったから女性にすごい人気だったよ。番組放送中、スポンサーだった三洋電機のイベントに、オレら3人がメインゲストで呼ばれたことがあってね。坂口さんが仮面を外したら、女性から『キャ~!!』ってすごい悲鳴があがった(笑)。坂口さんはオレと違って、3回も結婚したんだよ」
「白影を演じた牧冬吉さんが亡くなったとき、オレは知らなくて葬式に行けず、坂口さんが21年前、脳出血で亡くなったときは、マネジャーから電話があった。あ、絶対悪い知らせだ、と思ってとらず、折り返さなかったら、今度は奥さんが留守番電話に『亡くなった』って……。最後に会ったのは、その1年くらい前。九州にいた坂口さんが仕事で上京したとき、オレの行きつけの飲み屋に来てくれてね。酔っぱらってオレと別れた後、『吉延を頼むなぁ』と言ってくれてたんだって。61歳で亡くなるなんて、早過ぎるよね」
(取材・文=中野裕子)