藤原喜明さんは雑談では柔和な顔でも、プロレスの話になると瞬時に鋭い視線に
スタッフの一人が「ヘッドロックって痛いもんなんですか?」とファンからすればとんでもない質問をすると、藤原さんが「やってみましょうか?」と立ち上がり、ヘッドロックをしはじめて……形だけの段階で「痛い痛い」と言い、藤原組長が「いきますよ」とほんの少し力を込めた瞬間「まいりました!」と藤原さんの腕をパンパン叩いてギブアップ。楽屋は大爆笑で、本番でもトミーズ健ちゃんを相手に実演し、大騒ぎでした。
雑談の時は柔和な顔をされていたのが、いざプロレスの話になると瞬時に鋭い視線に変わり熱気、殺気が漂うその真剣度。話の端々に“命がけでやってきた”という空気がひしひしと伝わってきました。一つ間違えば命の危険もある大変な仕事ですが「好きなことを一生懸命やるだけですよ」と謙虚に話される姿が実に男前でした。何をするのも中途半端はだめだということでしょう。
75歳でリングに立ち、俳優、タレント、陶芸家、イラストレーター、エッセイストと多才な顔を持たれている藤原組長。これからもお体に気をつけて生涯現役を全うしていただきたいと思います。