「裸はイヤ」と連ドラを降板した多岐川裕美
一方、同映画に多岐川を起用した鈴木則文監督は「まったくの事実無根」と反論。多岐川と女性誌を告訴すると憤った。
真相はともかく、多岐川は「飢餓海峡」の撮影現場に戻ることなく、そのまま降板。製作側は売り出し中の藤真利子を代役に立て急場を乗り切ったが、多岐川への怒りは収まらなかった。
「事前に渡した脚本に脱ぐシーンは出てくるし、出演契約に際しても、裸になることには合意していた。脱ぐのはイヤだとかじゃなく、別の理由があったとしか考えられない」(当時の関係者)
背景にあったのはプロダクションの意向。ちょうどその頃、それまで所属していた東映から三船プロへの移籍話が進んでいた。
「契約で裸をOKしたのは東映だったんですが、すでに多岐川は実質的に三船プロの支配下にあった。彼女を清純派として売り出す腹積もりの同プロは、契約破りに出たというわけです」(芸能記者)
現場についてきたマネジャーも東映ではなく三船プロの人間だった。そのことも多岐川に裸になりたくないと言わせたもうひとつの理由だった。