森高千里 顎関節症でコンサート活動休止騒動
■1994年4月
ミニのコスプレで観客を魅了するビジュアル路線でブレークし、従来のアイドルとは一線を画す世界を誕生させた森高千里。“森高ワールド”を爆発させ、コンサートの女王とも呼ばれ、大人気だったが、25歳の誕生日を前に、顎関節症で1年間のコンサート活動中止に追い込まれる騒ぎとなった。
森高があごの異常を訴えたのは、「私がオバさんになっても」がヒットしていた92年7月ごろ。その後も活動を続け、「渡良瀬橋」「私の夏」とヒット曲を連発したが、その一方であごの症状は改善しなかった。
94年4月1日、病気を公表して休養する方がファンにも納得してもらえると考え、「ミュージックステーション」(テレビ朝日系)の番組内で「ずっと歌っているとあごがおかしくなって、口が開かなくなるんです」と、コンサート活動の休止を報告した。担当医は「強度のあごの運動障害と関節部痛が認められる。身体的な負担が大きくなれば症状が悪化するおそれがある」とコメントした。
痛めたのは右の顎関節だった。日常生活での会話や、テレビ番組で1~2曲歌う程度であれば問題ないが、2時間歌いっぱなしのコンサートをこなすのは不可能。7月から予定していた40本のコンサートはすべてキャンセルされ、それによる興行収入減は約3億円とも報じられた。森高は週に1度のペースで都内病院へのリハビリ通院を行う静養生活を始めた。