返品された雑誌のアンケートはがきに自分で「堀江しのぶ」
強気の野田の戦略は、次から次へと仕事を受けることだった。そして徐々にではあるが、肌の露出度を抑えていくことだった。堀江しのぶの肌の露出が少なくなると、余計にファンは欲してくる。メディアへの露出度と肌の露出度は反比例していく。それが野田の戦略だった。
人気が出るにつれ、ダンスやボーカルレッスンをしながら、グラビア撮影、ドラマ収録、CM撮影、雑誌取材とスケジュールが立て込んでくる。びっしり仕事を入れるので、業界では「トリプル(ブッキング)の野田」とまで言われた。
堀江しのぶ自身も仕事の面白さに魅入られて、生き生きと消化していった。
だが、スケジュールが時にはうまく噛み合わないときもあった。それも最悪の形で。
(あすにつづく)
▽のだ・よしはる 1946年、富山県生まれ。渡辺プロ系列のプロダクションで夏木マリ、いしだあゆみらのマネジャーを担当。80年にイエローキャブ設立。故・堀江しのぶ、かとうれいこ、細川ふみえ、山田まりや、佐藤江梨子、小池栄子、MEGUMIらを発掘し「巨乳軍団」の名物社長として知られる。04年に同社社長を辞任。現在はサンズエンタテインメント会長。