市川猿之助容疑者が父親の「自殺幇助」で再逮捕…実刑はあるのか、ないのか? 弁護士が解説
最長10年6月の量刑
自殺幇助の量刑は6月以上7年以下の懲役で、2人の場合、1.5倍の最長10年6月となる。
猿之助容疑者は「私に関するパワハラやセクハラなどの記事が週刊誌に掲載されることが大きな引き金となった」と、一家心中のきっかけは自分であるとし、「睡眠導入剤を用意し、数錠ずつすりつぶして砕き、水に溶かして飲ませた」と話している。
誰が一家心中を主導したのかが、猿之助容疑者が実刑になるかどうかのポイントとなりそうだ。
山口宏弁護士がこう言う。
「週刊誌にスキャンダルを取り上げられる前から両親が『死にたい』と思っていたとは考えにくい。自殺幇助は一般的には自殺志願者が誰かに手助けを求めるものです。今回のケースでは、積極的に自殺しようとしなかった両親を説得して自殺に導いた可能性があります。週刊誌報道をきっかけに家族会議を開き、猿之助さんが一家心中の計画を立て、ネットで自殺方法を調べ、2種類の睡眠薬を用意しています」
裁判では、ビニール袋と薬の入った容器を捨てた理由を問われる可能性もある。
「裁判官としては、そこが疑問点でしょう。3人全員が亡くなっていたら、猿之助さん本人が主導的な役割を果たしていたとしても、永遠に封印されるところでした。廃棄した理由は、両親を巻き添えにしたと世間から思われたくなかったぐらいしか思いつかず、回答次第では、悪質と捉えられるかもしれません。猿之助さんが心中を主導したと裁判所が判断する可能性も考えられ、教唆の度合いが強いとなれば、実刑もあり得ます」(山口弁護士)
猿之助容疑者は「みんなでさよならすることになった」と話しているが、誰が「心中しよう」と言い出したのか。
◇ ◇ ◇
■厚生労働省のホームページで紹介している主な悩み相談窓口
▽いのちの電話
℡0570‐783-556(午前10時~午後10時)、℡0120‐783‐556(午後4~9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)
▽こころの健康相談統一ダイヤル
℡0570‐064‐556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)
▽よりそいホットライン
℡0120‐279‐338(24時間対応)、岩手、宮城、福島各県からは℡0120・279・226(24時間対応)