予備軍3000万人 口臭の原因「ドライマウス」の怖さ
口の中が乾く「ドライマウス」の原因は人によってさまざま。50歳以上の中年族に多いが、冬で空気が乾燥しているせいなどと侮ってはいけない。歯周病など深刻な口のトラブルを引き起こすケースがあるからだ。
「ドライマウスとは、何らかの原因で唾液の分泌量が減り、口の中が乾く病気です。唾液には口の中を潤わせ、殺菌して清潔に保つ役割があります。これが不足すると口臭、虫歯、歯周病など、口の病気を中心にさまざまな不具合を引き起こします」
こう警鐘を鳴らすのは、日本では珍しい「ドライマウス外来」がある大阪歯科大学の小正裕(こまさゆたか)教授だ。
日本のドライマウス人口は年々増加し、現在約800万人。自覚していない予備群は3000万人に及ぶと推定されている。
命に関わる病気ではないものの、デリケートな場所だけに、かかってしまったら厄介だ。
代表的な自覚症状は、「水をよく飲む」「夜中に乾きで目が覚める」など。
別表の「ドライマウスの自己診断」のような症状がひとつでもあれば、歯科医や専門病院を受診して“唾液の量”を量ってみるといい。検査で簡単に分かる。