食べているのに栄養不足…疲労の陰に「新・栄養失調」あり

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 こんな報告がある。秋田県大仙市では、平均寿命が非常に低かった。そこで、アルブミン値を積極的に上げる食事指導が取られた。アルブミンは血液中に含まれる重要なタンパク質で、この数値が低いと生存率が下がることが実証されている。

「アルブミン値はタンパク質の摂取で上がります。大仙市では1日の目標値を成人男性60グラム、成人女性50グラムとした。牛肉なら300グラム、卵なら10個、魚の切り身なら3~4切れに相当しますが、毎日取るのは難しいので、肉、魚、卵、乳製品、大豆のタンパク質源をちょっとでも食べたら用紙に丸をつけるようにした。結果、まんべんなく十分な量のタンパク質を取ることができ、アルブミン値は上がり、動脈硬化が減り、平均寿命が上昇したのです」

“新栄養失調”を改善するには、「ビタミン、ミネラル、タンパク質を取れる食事」を徹底する以外に手はない。「安く早く腹いっぱい」だけを考えていると、Aさんの例も示すように、どうしても糖質中心になってしまうので、むしろ「糖質は食事の最後に食べ、極力減らす」を意識する。

「肉、魚、豆を積極的に食べてください。“肉は悪”というイメージが強いのか、圧倒的に肉の摂取量が少ない。当院ではアルブミン4.5を目標値にしていますが、そのためには体重1キロ当たり1~1・5グラムのタンパク質摂取が必要。タンパク質60グラムで、牛肉300グラム相当です。しゃぶしゃぶ肉が少量乗っているサラダを食べるくらいでは、到底足りません」
 
 ちなみに、取材直前の溝口院長の昼食は、「ステーキ300グラム、ライスなし」だった。

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