コーヒーで“お漏らし”をしやすくなった
朝、コーヒーを飲み始めたら、便を漏らしやすくなった。コーヒーが原因? 47歳男性の悩みに答えてくれるのは、「新宿大腸クリニック」の後藤利夫医師です。
「コーヒーには、確かに排便を促進する作用があります。ただし、それだけで便失禁になることはありません」
便失禁を起こす条件のひとつは、蠕動運動の高進により腸の内圧が高まりすぎること。コーヒーや緑茶、紅茶に含まれるカフェインは腸を刺激して蠕動運動を高進させ、アルコールにも同様の作用がある。
「ただし、普通は肛門がきちんと締まっているので、腸内圧が高まっただけで便が漏れることはありません。便失禁になる条件はもうひとつ、肛門の筋肉が弱いことです」
肛門の筋肉「肛門括約筋」が弱まると、締まりが悪くなり、便失禁を起こしやすくなるのだとか。主に筋力が衰える60代以降に増える症状です。出産によるダメージが影響することから、女性のほうが便失禁を起こしやすいともいわれます。
「若い男性でも、病気や夏バテなどで体力が落ちている時は、肛門括約筋の力が弱まります。また、痔になると肛門が変形して締まりが悪くなることがあります」
その肛門括約筋は、自分で鍛えることができるという。締まりが悪いと自覚している人は、肛門にグッと力を入れて引き締める訓練を。
そしてコーヒーやお酒を控えめに!