なぜ食後すぐに寝るのはダメなのか
「帰宅が遅くて夕食後すぐ寝てしまう。カラダに良くないでしょうか?」
50歳男性の質問に、新宿大腸クリニックの後藤利夫先生が答えてくれました。
「一番心配なのは、胃食道逆流症(逆流性食道炎)です。食べた後すぐ横になると、高水位の胃酸が逆流して食道の粘膜を傷つける恐れがあります」
胃と食道の間の筋肉が緩んでいると、胃酸が食道に逆流し、胸焼けなどの炎症、胸痛が起こります。食後すぐ横になる人で胸焼けがあれば、胃食道逆流症の疑いは濃厚です。
「また、食べてすぐ寝ると消化活動が停滞し、胃もたれが起こります。これが繰り返されると、心筋梗塞や脳梗塞のリスクまでも高まります」
胃の中に食べ物が残っていると、寝ている間に胃に血液が集中。すると脳や心臓が虚血気味になり、血管が詰まりやすくなってしまうのだとか。胃が空っぽになるまでは最低3時間。「寝る前3時間は食べてはいけない」と言われるのはこのためです。
「それが無理なら、夕食は消化の良いものを少なめに食べること。食べ過ぎると消化不良を起こすだけでなく、胃酸が過剰に分泌され、胃食道逆流症の危険が増します」
避けた方がいいのは、胃酸分泌を促進するアルコールや刺激物など。アルコールは体内の水分を排出するため、血管の詰まりを助長します。寝る前に飲むなら、胃壁を保護してくれる乳製品がおすすめ。
お酒の代わりにホットミルクをどうぞ!