予防から手術まで 糖尿病での失明防ぐ「3つの武器」とは
■食べ過ぎは逆効果
JDCSの対象となった糖尿病患者を果物摂取量により4分割し比較したところ、最大摂取群(1日あたり平均200グラム)は、最小摂取群より網膜症発症率が40~50%も低かったという。
「なぜ、そうなるのかはハッキリわかっていません。ただ、果物に含まれるビタミンが抗酸化作用により血管の柔軟性を保つことにつながり、網膜内の毛細血管に良い影響を与えたのではないか、と考えられています」(前出の眼科専門医)
ならば、「毎食後に果物を食べよう」と思う人もいるだろうが、早計だ。
元東京医科歯科大学眼科教室助教授で、東京都眼科医学会学術委員でもある、「清澤眼科医院」(東京・南砂)の清澤源弘院長が言う。
「果物を取り過ぎると血糖値が上がり、かえって糖尿病が悪化してしまいます。あくまでも果物は食事療法の範囲内で取るべきです。つまり、普段食べている1日の総カロリーを変えずに、果物を食べる必要があります。たとえば、バナナやミカンを食べるぶん、ご飯を減らすといった工夫が必要なのです」