寝ても抜けない“酒疲れ”は「ビタミンB1不足」に原因あり
かつての日本ではビタミンB1欠乏症は「かっけ」と呼ばれ、結核と並ぶ2大国民病とされてきた。玄米を精製してできた白米を食べるようになった江戸時代以降に患者数が増加。「かっけ」による心不全などで、大正時代までに毎年数万人が命を落とした恐ろしい病気だ。
栄養状態が格段に上がった現代では、豚肉、ウナギ、イクラ、玄米などビタミンB1が豊富な食品を普通に食べていれば問題ない。しかし、偏食の人、ダイエットで食事制限している人、胃を切除している人、小腸や胃での栄養吸収を阻害する薬を飲んでいる人などはビタミンB1不足に陥る可能性がある。
■胃を切除、ダイエット中の人は要注意
「これまで、ビタミンB1は小腸で吸収されると考えられていましたが、最近の研究では胃の壁細胞で取り込まれることが分かってきました。そのため胃を切除した人はもちろん、一部の降圧剤など胃や腸での栄養吸収を阻害する薬は注意が必要です」(林院長)
しかし、ビタミンB1欠乏症を警戒しなければならないのは、なんといっても大量にお酒を飲む人だ。