心臓病集中治療室の地域格差 首都圏に全国の3割が集中
そのため現状では、CCUの有無が心臓病の死亡率など統計上の数字に影響することはほとんどありません。しかし、その病院がどれだけ心臓病に力を入れているかのバロメーターになり得ます。われわれから見れば、CCUを有する病院が地域内にあれば、気持ちの上で安心感が得られるというわけです。
表は都道府県レベルでのCCUの病床数をまとめたものです。首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)には合計515床、全国の約3割が集中しています。福岡、大阪、愛知といった大都市圏も、それなりの数を保有しています。
一方、青森県にはCCUがまったくありません。島根・鳥取・長崎・山梨・秋田には、CCUを設置している病院がたった1カ所あるだけです。だからといって、心臓病死亡率が、必ずしも悪いわけではありません。しかし、医療供給体制にこれほど大きな地域格差があることは、無視できない問題です。