関西圏の出生率 大都市苦戦も大阪・鶴見区は唯一10傑入り
関西圏(大阪府・京都府・兵庫県)は、首都圏に匹敵する低出生率地帯です。ただし市区間での格差は、首都圏よりも顕著です。合計特殊出生率(女性が一生の間に産む子供の平均数)がトップの福知山市と、最下位の京都市東山区では、2.5倍以上の開きがあります。
福知山市の数字は1.96に達しています。人口維持に必要といわれる2.1に手が届きそう。ここで生まれた子供たちが、そのまま暮らし続けるとすれば、福知山市は長きにわたって存続できるでしょう。
しかし若者の多くは大都市に吸い寄せられてしまい、戻ってくる者はわずかです。実際に福知山市は衰退し、東山区は繁栄を続けるはずです。
ベスト10に入っている自治体の多くは、京都府や兵庫県の中部から日本海側です。瀬戸内海の淡路島からもランクインしています。それらの自治体は、関西3大都市への通勤圏としては遠過ぎるため、逆に豊かな自然や農産物・海産物に恵まれています。環境や食べ物が良ければ子供が生まれやすい、ということを実証しているようです。
ワースト10は、すべて3大都市からです。京都市全体の合計特殊出生率(平成20~24年の平均値)は1.16、大阪市が1.25、神戸市が1.28という低い数字にとどまっています。京都市でもっとも出生率が高いのは南区。といっても1.38に過ぎません。