胃がんの治療法は「内視鏡と手術」どちらを選ぶべきか?
かつて一緒に働いていたMさん(53歳)が、ある研修会が終わった後の打ち上げの居酒屋で、たまたま私の隣に座りました。そして、Mさんからこんな話をされました。
「先生、最近ずっと胃がきりきりして胃薬を飲んでいるんですが、良くならないんです。10年ほど前に胃の内視鏡検査を2回受けたのですが、ゲップが出て苦しくって嫌だったんですよ。だから、二度と内視鏡検査を受けたくないんです」
私は、「Mさん、いまは機械が良くなっているし、医師も上手になっているよ。私に会ったこれがいいチャンスだと思って、内視鏡検査を受けよう」と勧めました。
それから3週間後、Mさんから電話がかかってきました。
「内視鏡検査を受けました。確かに、苦しくはなかったです。でも、胃がんだそうです」
Mさんの話では、胃の入り口からその下にがんが3カ所あるとのことで、CT検査では転移はなかったといいます。医師からは、早期がんで内視鏡治療でも取れるが、3カ所もあるので開腹手術でもいいと言われ、悩んでいるとのことでした。