大腸がんの内視鏡手術 適応は悪性ポリープと上皮内がん
大腸は長い臓器です。そのため部位によって手術のやり方も違ってきます。ただ、手技としては大きく「内視鏡」「腹腔鏡」「開腹」の3種類で、とくに内視鏡手術はどの部位でも基本的に同じです。今回は内視鏡手術について見ていきましょう。
悪性ポリープと上皮内がんが適応になります。方法として「ポリペクトミー(ポリペク:内視鏡的ポリープ切除術)」「EMR(内視鏡的粘膜切除術)」「ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)」の3種類が確立されています。
■手法の違いは?
ポリペクはキノコ状のポリープに有効。細いワイヤの輪を内視鏡先端から出し、ポリープの茎にひっかけ、電流を通して焼き切ります。しかし茎のない平たいものや、粘膜上皮の中に埋もれているがんは、この方法では取れません。そこで内視鏡の先端から注射針を出して、がんよりも内側に生理的食塩水を注入し、がんを表面に押し上げるのです。あとはワイヤをかけて電気的に焼き切るだけ。これがEMRです。
EMRで切除できる上皮内がんは、直径2センチ程度までです。がんがもっと広がっている場合は、ESDの出番です。