大腸がんの内視鏡手術 適応は悪性ポリープと上皮内がん
まず切除範囲をマーキングし、次に粘膜下層に食塩水を注入して患部を浮き上がらせます。そして、マーキングに沿って電気メスで上皮を剥がすように切り取るのです。ESDのおかげで、今ではかなり大きな上皮内がんも切除できるようになりました。
表には上皮内がんの男性患者数(2012年)と内視鏡手術件数(2014年度)をまとめました。患者の6割は結腸、残り4割がその他の部位ですが、大半は直腸です。ESDは大腸がんのみの適応となっています。したがってESDの件数は、直径が2センチを超える大きな上皮内がんの患者数を表しています。
一方、ポリペクとEMRは良性腫瘍にも適応されるため、悪性・良性合わせた数字が公表されています。しかし表の数字から、大半が良性であることは明らかです。
統計の年度が2年ずれていますが、大ざっぱに言って患者の合計が約2万3000人。そのうち約1万1000人がESD。したがって、ポリペク・EMRを受けた上皮内がん患者は、約41万人のうちの約1万2000人、割合にして約3%だったことが分かります。