高齢者の病院搬送は消防署ではなく病院の救急車を

公開日: 更新日:

 高齢者の救急搬送をどうすべきか、これから真剣に議論して準備していかないと大変なことになりそうです。

 119番通報は年々増えているのに、2次救急病院など受け入れる医療機関は減る一方。ただでさえ、大変な状況なのに今後は救急搬送される高齢者がさらに増えると予想されているからです。

 消防庁のデータ(2011年度)によると、消防署の救急車で搬送された高齢者のうち重症例は15%で、中等症が47%、軽症が38%だったそうです。自宅療養している高齢者を見守っておられる方が、ちょっとした異変に慌てて救急車を呼んだケースがないとはいえない状況です。

 一方、消防署に配備されている救急車の出動件数は2014年に598万件を超え、10年前の1.2倍となっています。そして、搬送された人全体の55.5%が65歳となっています。

 高齢者の搬送にはどうしても時間がかかるため、通報から到着時間が延びてしまいます。そのせいかどうかは分かりませんが、到着時間は平均2・2分も延びています。いまでは「軽症な高齢者が重篤な患者さんの搬送に支障を来している」との声も上がっているのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…