著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

カルシウムの過剰摂取は危険なのか?

公開日: 更新日:

 カルシウムは、ビタミンと並んでサプリメントで取る人が多い栄養素だと思います。骨の健康のためにはカルシウムが不足しないことが必要ですし、カルシウムの不足が血圧を上げたり、イライラの原因になることも知られています。1日のカルシウムの必要量は600ミリグラムといわれていますが、日本人は食事だけでは不足していると指摘されています。そうなると、サプリメントを取った方がいいと考えるのは当然のことです。

 しかし、実は最近になって、カルシウムのサプリメントの健康への影響が問題となっているのです。昨年の栄養学の専門誌に掲載された論文によると、1日1000ミリグラム以上のカルシウムのサプリメントを使用している男性は、使用していない場合と比較して、総死亡のリスクが17%も増加していました。昨年のアメリカ心臓協会の雑誌の論文によると、「カルシウムのサプリメントを使用することにより、心臓の血管の動脈硬化性変化である石灰化が10年間で22%増加した」という結果になっていました。

 食事からのカルシウムが多くても、そうした悪い影響は認められていません。なぜ、こうした違いがあるのかは今のところ不明です。とはいえ、カルシウムはサプリメントに頼るのではなく、食事から取るようにした方が安全なようです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動