【足首の捻挫】直後にテーピングをしてはいけない
「捻挫」とは、関節周囲の靱帯や関節包などの軟部組織に起こる損傷の総称。一般的には、足首を内側にひねり、足首の外くるぶしの前にある「前距腓(ぜんきょひ)靱帯」の損傷がほとんどだ。外傷直後、どんな応急処置をしたらいいのか。埼玉協同病院・整形外科(川口市)の仁平高太郎部長に聞いた。
「捻挫、肉離れ、骨折などの急激な外傷の応急処置の基本は世界共通で、『RICE処置』です。『安静』『冷却』『圧迫』『挙上(きょじょう)』の4つの処置(英単語)の頭文字を並べたもので、こう呼ばれています」
まずは「安静(レスト)」。添え木や包帯などで損傷部位を固定して、極力動かさない。次は「冷却(アイス)」。ビニール袋やアイスバッグに氷を入れて、患部を冷やす。患部の感覚がなくなったら外し、また痛くなったら冷やすを繰り返す。冷却で痛みが軽くなったら、「圧迫(コンプレッション)」だ。
「やり方は、スポンジやテーピングパッド、綿など、何か軟らかい素材を患部に当て、その上から包帯で軽く圧迫気味に固定します。テーピングで固定するのでもいいのですが、圧迫の加減が難しく、強く押さえ過ぎると逆に腫れがひどくなります。慣れていない人は、ケガをしたときにすぐテーピングをするのは避けた方がいいでしょう」