慢性骨髄性白血病<3>「治療法を変えるのは命がけの選択と同じ」
薬学部を卒業し、薬剤師の資格も持ち、病気や薬剤にはめっぽう明るい。
「ただね、患者にとって、治療法を変えるということは、大げさに言うと命がけで選択するようなものなのです」
スイスの大手薬品メーカー「ノバルティス」が開発した「グリベック」は、的を絞って攻撃し、正常な細胞は攻撃しないという分子標的薬である。
久田さんはこの薬を毎日4錠、今日までの15年間飲み続けている。医薬品の支払いは3カ月分で3割負担の約28万円である。
■インターフェロンから分子標的薬「グリベック」に
17年前、約3万の数値を示し、担当医を驚かせた「白血球」は現在、4000の正常値にまで低下した。
「もう病気を考えると気がめいりますから、病気のことは忘れて治ったかのように過ごしています。死ぬまで生きているのだから、思いっきり充実させてやる! という気持ちでいますね」
薬剤の副作用もある。疲労感、下痢、皮膚掻痒などだ。