感染症やがん免疫力低下も 汗の皮膚トラブル対策と対処法
そろそろ梅雨入りだ。これから汗をかく機会が増え、肌トラブルを起こしやすくなる。多摩ガーデンクリニック・武藤美香院長に知っておくべきことを聞いた。
皮膚科・アレルギー専門医の武藤院長は乳児期にアトピー性皮膚炎を発症、中学の時に重症化した。転機が訪れたのが約25年前、信州大学医学生の時だ。
「適切な保湿で症状が抑えられたのです。今でも忙しくなると症状が出ますが、それほどではない。日々充実した生活は、保湿剤のおかげです」
汗のトラブル対策においても、保湿が非常に重要だ。
皮膚は表面から表皮、真皮、皮下組織で構成されている。表皮最上層に角層があり、健康な皮膚では角層にしっかり守られ、外部からの刺激が侵入しにくい。ところが乾燥した皮膚では角層細胞の配列が乱れ、角層細胞間の接着が低下し、バリアー機能が障害される。
「髪の毛が触れる、衣類が擦れる、下着の締め付け、細菌・ウイルス・真菌などの病原体、アレルゲンなどの外部からの刺激が表皮に侵入しやすくなります。それに対し、真皮からかゆみの神経が表皮側に伸びてきて、かゆみに過敏になります」