感染症やがん免疫力低下も 汗の皮膚トラブル対策と対処法
■「あせも」と思っていたら「汗かぶれ」
NTT東日本関東病院(当時)の渋谷紀子医師らが行った研究では、生後3カ月までに湿疹があった乳幼児は、なかった乳幼児に対し、アトピー性皮膚炎が約10倍、食物アレルギーが約20倍多かった。
また、国立成育医療研究センターの大矢幸弘医長らは保湿の重要性を証明。出生時から7カ月半適切な保湿を行うと、アトピー性皮膚炎や湿疹が3割以上減少した。
「皮膚バリアー機能障害は新たな皮膚トラブルを招きやすい。特に乳幼児の場合、生涯にわたるアレルギー体質につながるリスクが上がります。さらにアレルギー体質が重症化すると、感染(病原体)への免疫力や腫瘍(がん)に対する免疫力が低下することが分かっています」
保湿剤を含む基礎化粧品を日頃から活用している女性はもちろん、男性も冬は乾燥肌対策のために保湿剤を用いている人はいるだろう。ところが、夏は保湿剤を使わなくなる人が大半だ。
「汗の皮膚トラブルに悩んでいる人の多くに、ドライスキンによる皮膚バリアー機能障害が生じている可能性が考えられます。夏でも保湿剤の使用が必要です」