著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

大阪北部地震で1700人避難 がん患者が用意すべき医療情報

公開日: 更新日:

 そうして浮かび上がったことが3つ。①機器の故障、水道や電気などのインフラの喪失で機器が使えない②交通手段の寸断で医師が病院に行けない③被曝医療に追われて通常の放射線治療に人が回らない――です。①と②に関連して、機器メーカーの担当者が修理しようにも、向かえないという事情もありました。

 患者さんにとっては、生活そのものの不安だけでなく、どうやって治療を継続するかということが切実な問題となったのです。そこで分かった教訓があります。医療データは、どんなことでも、医師から受け取っておくことが重要なのです。

 皆さん、血液検査を受けると、紙の検査結果をもらうはず。それと同じように、CT検査を受けたら画像データとリポートをもらうのです。放射線治療でも抗がん剤治療でも、必ず治療計画があります。治療はそれに基づいて行われますから、治療計画書を受け取っておけば、避難先の病院でそれを見せれば同じ治療が受けられるのです。

 CT検査のリポートも抗がん剤などの治療計画書も、患者さんが求めたら、病院は提供するのが当然です。患者さんにとって、医療データは自分のものですから。ところが、一部には出したがらない病院もあります。そういう病院は、その時点で替えるべきでしょう。明らかに不自然です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭