医療費削減のカギに ジェネリックの普及を阻む“しがらみ”

公開日: 更新日:

 日本ジェネリック製薬協会によれば、17年度のジェネリック医薬品の数量シェアは69.9%(前年65.5%)。大手企業の従業員1606万人が加入する健康保険組合では、18年1月時点で74.1%(調剤ベース)にまで普及。20年度までの政府目標値80%の達成に近づいている。医療費削減の政府のロードマップは順調に進んでいるように思えるが、医薬品業界の専門誌編集長が問題を投げかける。

「欧米諸国ではジェネリックの使用は90%を超えています。日本も世界標準に近づいたといえますが、問題は職種別の使用割合や患者により差があることです」

 これは協会けんぽの分析でも指摘されたことだ。

「医者や看護師ら医療業者の使用割合は6割程度。重い病気の患者や、医療費の高い患者に医者はブランド品を使う傾向が強いんです」(同編集長)

 医療費を削減する方向は官民とも徐々に浸透してきてはいるが、医療コンサルタントの吉川佳秀氏もこんな指摘をする。「若い医者は積極的にジェネリックを患者にすすめますが、年配の医者ほど使いません。医薬品メーカーとの付き合いや、MRの接待など、メーカー寄りの新薬を使うケースが多いんです」

 ジェネリックの使用は患者の自己負担の軽減に寄与する。まずは患者から医師へジェネリックを使う意思表示を広めたい。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    八角理事長が明かした3大関のそれぞれの課題とは? 豊昇龍3敗目で今場所の綱とりほぼ絶望的

  2. 2

    フジテレビにジャニーズの呪縛…フジ・メディアHD金光修社長の元妻は旧ジャニーズ取締役というズブズブの関係

  3. 3

    元DeNAバウアーやらかし炎上した不謹慎投稿の中身…たびたびの“舌禍”で日米ともにソッポ?

  4. 4

    松本人志は「女性トラブル」で中居正広の相談に乗るも…電撃引退にショック隠しきれず復帰に悪影響

  5. 5

    ついに不動産バブル終焉か…「住宅ローン」金利上昇で中古マンションの価格下落が始まる

  1. 6

    フジテレビ顧問弁護士・菊間千乃氏に何が?「羽鳥慎一モーニングショー」急きょ出演取りやめの波紋

  2. 7

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  3. 8

    菊間千乃は元女子アナ勝ち組No.1! フジテレビ退社→弁護士→4社で社外取締役の波瀾万丈

  4. 9

    中居正広「引退」で再注目…フジテレビ発アイドルグループ元メンバーが告発した大物芸能人から《性被害》の投稿の真偽

  5. 10

    中居正広「華麗なる女性遍歴」とその裏にあるTV局との蜜月…ネットには「ジャニーさんの亡霊」の声も