特別な才能?世界が注目したアフリカの「金メダル遺伝子」

公開日: 更新日:

 それによると、7000メートル級の山を頻繁に登る登山家25人は一般人2000人に比べて、2倍の確率でACEの変異遺伝子であるACEⅡが見つかったという。その後、別の研究グループが筋肉タンパク質「αアクチニン3」をコードする「ACTN3遺伝子」を新たに発見、メディアは「ランニング遺伝子」とはやし立てた。

 この遺伝子は変異すると筋肉の性質が変わることがわかっている。本来は瞬発力に関わる速筋線維の新陳代謝を促すのですが、その変異型である「R577X遺伝子」は「αアクチニン3」の生成を阻害することで持久力に関わる遅筋線維を元気にする。

 実際、北京五輪で大活躍したジャマイカ短距離チームのメンバーの75%がACTN3遺伝子を持っていたといわれ、マラソンランナーは短距離選手の2倍の割合で「R577X遺伝子」を持つと報告されている。

 では、逆にこれらの遺伝子を持つ人は、陸上選手として成功が約束されるのだろうか? 残念ながらそうではない。多くの研究が行われたが、遺伝子と成功との間に強い関連性は見られなかったという。つまり、これらの遺伝子は運動能力に多少の影響を与えることはあっても、その有無だけで将来を予想するのは不可能だということだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…